直近の記憶が益々怪しくなってきた母、
郵便物も何処かにしまい忘れ、破棄してしまい
支払が必要な請求書や返信、確認が必要な物が見つからず再発行やその手続きに追われた経験から、口座引き落としや支払先を弟名義にして、大体のトラブルは回避出来るようになった
DMなどは心配の対象にはならないとおもっていたけど、過去の買い物履歴から届くカタログを最初に見るのは母である
これまでも様々な物を注文し、消費もしくは使用出来ずに販売元に断りを入れてきた経緯から
母も若干反省し、届いたものは一旦ここで保管すると設置した状差しがある
(それでも通販の飲食物やサプリは頼んでしまうが)
なかなか習慣づかなかったけれど
最近は逆に何でも入れてしまう
判断がつかなくなってきたということなんだろう
先日実家に行った時のこと
その状差しに有名な温泉地の老舗旅館の名前が入った封筒があった、封は切られている
中身を確認すると宿泊招待券が2枚入っていた
手紙も同封されていて印刷された文字ではあるが、宿泊者アンケートに抽選で当選した旨が書いてあった
「これいつ届いたの?」私
「うん?最近だよ」母
確か数日前の状差しには入ってなかったことから、最近なのかな…と思いつつ
いや、待てよ。旅行なんかいつ行った?
「いつ行ったときのものかな」私
暫く沈黙の後
「お父さん(私の父)と前〜に行った時に書いたんだよ、その時のじゃないかな」母
「そんな何年も前に書いたアンケートの当選案内が今頃来ないよ」私
ここからは母の妄想
「旅館も今は、暇だから来てもらいたくて案内出してるんじゃないの」母
これは母が何処かから見つけ出して、状差しに入れたものだと判断したが、
「お母さんも今行けないし、誰かに使ってもらおうと思ってさ、そこに入れたの」母
「えっ、じゃ一緒に行こうよ」私
「う〜ん、でもデイサービスに通っていて、忙しいし、そこが楽しいから今は行きたくないかな」母
娘たちとの旅行や行事よりも、自分の日常を優先する、今の母の言動は昔と随分変わってしまったけど、そういうところはからわないのね、ちょっと寂しく思った
そうなったらこの宿泊招待券がいつ頃届いた物なのか、俄然知りたくなってしまった
迷惑にもその旅館に電話連絡を入れ、事の経緯を説明すると、確かに母に送られた物で間違いなかったが、その年月を確認すると、平成27年3月の頃のものだとわかった
今から約10年前
私は両親がその頃、どんな生活を送っていたのか殆ど知らない
互いを尊重し各自自由に生活して居るように思えたが、父は寝に帰ってくるだけの人だからと言う母に、お互い様の部分はあるのでは?といった事を思い出す
なんだ、2人で旅行とかしてたんじゃん
さて、この宿泊券を使うことが出来るのだろうか
、一応旅館へ一式を返送して判断してもらう事になった
もし、使用可能となったら、いやそうでなくでも
母を誘って妹と3人でどこかへ母娘旅行しよう
そういえば大人になってから、というか、
3人だけで旅行したことなかったかも笑